(音楽で旅を味わう)バブル期のカップル旅行のリゾート体験「小麦色のマーメイド」
松本隆の作った松田聖子の楽曲には日本の黄金時代をほうふつさせる光景が見え隠れしています。音楽はその時代の人々の思いを具現化したものであり、ある意味ファンタージ―な世界がそこにあります。そんな曲群を紹介します。
〇風立ちぬ
この曲を聴くと、日本でバブルの頃に流行ったリゾート地への淡い憧れを思い起こされます。軽井沢の街並みや高原にあるホテルなどがはまりそうな作品です、
〇白いパラソル
この曲は、私が追い求める南国のリゾートイメージはそのものです。なんかこういった曲を聴くと心が楽しくなります。松本隆はロングバケーションのジャケットから白いパラソルという題名を頂き。大滝詠一の「君は天然色」とディンギーの情景が重なり合っています。それでも松田聖子の歌唱力は大滝と同レベルでいいものです。
〇小麦色のマーメイド
80年代中頃から2000年前半まで日本円が強かったこともあり、海外で生活すると日本の生活費の半分以下でもそれなりに豪華な生活ができました。いい時代ですね。そんな雰囲気が充満しているような夏の雰囲気。後世になれば80年代後半は日本の歴史上特筆に幸せな時代であったと言われるでしょう。
今となっては、タイはおろか物価が圧倒的に安かったフィリピンでさえ日本の物価に近づいています、これに食べ物の旨さを加味すると日本にいたほうが安くておいしい料理をたくさん食べられます。時代の変化というのは残酷なものです。
〇セーシェルの夕陽
幻想的な南国の雰囲気をふんだんに盛り込んだ作品。若い女が一人でバンガローに泊まるなんて、その頃には絶対ありえない設定。バンガローの備え付けているハンモックから
赤く染まったセーシェルの夕陽を眺めて彼の事を思い手紙を出す。「風立ちぬ」に通じる文学性と優雅さ。
これら楽曲に共通するのは、メルヘンチックなリゾート描写。日本経済が明るかったことの証です。今このような世界は、一部の富裕層だけになってしまいました。日本人は、海外旅行にさえ夢を抱けなくなった寂しさがそこにあります。
そして、このころの歌にある根底は、女性の最後の就職先は「専業主婦」であり。頼りがいのダーリンと結婚する。なので、今と比べて、アイドル歌手の歌は非常に甘えた雰囲気のものが多い。
そういった意味では、バブルという日本の黄金時代の残像という音楽でもある。
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