『ジョン・レノン 失われた週末』について

 これはメイ・パンによる回想録であり、ジョン・レノンという人間を理解するうえで極めて重要な資料であることは間違いない。

これまで「失われた週末」は、主にオノ・ヨーコの視点、あるいは彼女のフィルターを通したジョンの言葉によって語られてきた。しかし、メイ・パンの視点から見えてくるのは、ジョン・レノンがいかに周囲の影響を受けやすく、関わる人々によってそのキャラクターがカメレオンのように変化するかという事実である。結論を言えば、この時期はジョンがビートルズ以前の「素の自分」に戻ることができた、ある種のモラトリアム期間であったのだろう。


もし、このままジョンの人生が終わっていたならば、彼の評価は「ビートルズの一員」という枠を出ることはなかったかもしれない。『イマジン』や『インスタント・カーマ』といった楽曲が再評価されることもなく、あくまでビートルズの文脈でのみ語られていた可能性がある。

これらの楽曲が今なお高く評価されているのは、ひとえにオノ・ヨーコの尽力によるものである。彼女のプロデュース能力と知性という栄養によって、ジョンは単なる一人のミュージシャンから「哲学者」という高みへと引き上げられたのだ。

メイ・パンと過ごした「失われた週末」のジョンは、知的な側面が影を潜め、仲間たちと酒やドラッグ、そしてセッションに明け暮れる日々に終始していた。それはまさに、剥き出しの「ロックンローラー」としての姿そのものであった。

しかし、ジョンは最終的にヨーコのもとへ戻り、再び自らの哲学的な側面を復活させることになる。オノ・ヨーコはその強烈な個性ゆえに世間の評価が分かれる人物ではあるが、彼女の持つ知性や芸術性、そして「ラブ&ピース」の精神を吸収したことで、ジョン・レノンが聖人として人類史にその名を刻んだことだけは間違いないであろう。



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