桑田佳祐の魅力を考える

サザンオールスターズの魅力の根源は、青山学院大学(青学)を背景とした「学生バンド」としての空気感にあり、その世界観が多くの大学生の共感を集めてきた。代表曲「Ya Ya (あの時代を忘れない)」がリリースされた当時は、女子の大学進学率がまだ低かった時代である。男女共学の青学を舞台にした学生バンドの華やかな大学生活は、当時の若者たちにとって羨望の的であった。 もしこれが、早稲田・明治・法政といった当時の「男子校文化」の強い大学のバンドであったなら、同じ曲を歌ったとしても、世間の受け止め方は全く異なるものになっていただろう。

とはいえ、桑田が描く女性像は、青学出身者が抱かせるアッパーミドルな雰囲気とは一線を画す。そこには泥臭さがあり、決して良家の子女のような清廉潔白さはない。それは男性像も同様で、青学のイメージである「垢抜けて洗練された都会の男性」とは異なる。このギャップこそが、幅広いファン層を獲得できている要因だ。その源流は、母がスナックを経営しており、そこで働くホステスたちの人生を間近に見てきた経験にあるのではないか。だからこそ、桑田の描く人間像には独特の哀愁が漂っているのである。

そして、原由子の存在が極めて大きい。桑田の持つ「下世話」な部分を、彼女の存在や歌声が見事に中和している。いわば、女性ファンにも受け入れられる土壌を彼女が作っているのだ。もし原由子がいなければ、サザンは女性から敬遠され、一部の男性のみに支持されるバンドに留まっていた可能性が高い。

さらに、彼が「サザン」というバンドを大切にし続けている点も見逃せない。デビューから半世紀近くが経とうとしている今もなお、彼らの間には学生時代の延長のような雰囲気が漂っている。いつまでも仲間と和気あいあいと活動を続ける姿が、学生時代の自分を見失いかけている古中年以上のリスナーの心を揺さぶるのである。

結局のところ、桑田佳祐は決して天狗になることなく、周囲の人々を大切にすることで、結果として自分自身の評価を高めてきた。もし彼が原由子と離別したり、サザンを解散してソロ活動のみに専念したりしていたら、今のような国民的な存在にはなっていなかったであろう。人からの評価H自分の能力だけでなく、周りを大切にすることで回りまわって帰ってくるという側面は否定できないものである。



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