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マイケル・ジャクソンの光と影

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 驚異的な変遷を遂げた音楽性 マイケル・ジャクソンの音楽は、ビートルズのように劇的な変化と進化を遂げた。特にクインシー・ジョーンズとタッグを組んで以降の彼は、常に革新的であり、傑作しか残していないと言っても言い過ぎではないだろう。 その歩みを振り返ると、『オフ・ザ・ウォール』でモータウンから脱却した独自のスタイルを確立し、『スリラー』で多様なジャンルを開拓。『バッド』ではその成果をベースにしつつ、自身の楽曲で固め上げた。そして『デンジャラス』以降は曲調を一新し、ビートルズの『ホワイト・アルバム』期を思わせる多角的な音楽を展開していった。まさに同一人物の作品とは思えないほどの振れ幅と深みである。 版権ビジネスと「金銭感覚の矛盾」 マイケルはビートルズの主要楽曲の版権企業を手中に収めた。それだけで一生遊んで暮らせるはずだったが、彼はその後も『バッド』『デンジャラス』『ヒストリー』といった世界的にメガヒットしたアルバムを連発する。しかし、入ってくる莫大な富を遥かに上回るペースで散財し、次々と資産を消費していった。 モータウン時代のマイケルは、どれだけヒットを出しても正当な対価を得られないシステムの中にいた(日本の昭和のアイドルビジネスに近い構造と言える)。本来であれば、そうした下積みから抜け出した後は金銭に対してシビアになるのが自然かもしれない。しかし彼は逆にタガが外れたような消費行動に走った。この人間らしい矛盾と心理のあり様は非常に興味深い。 ビートルズと並ぶ、後世に残る普遍的価値 マイケルが遺した楽曲のクオリティは、ビートルズのそれと遜色がない。妥協の産物は1曲として存在せず、どの楽曲も極限まで完成度が高められた状態で世に出されている。その音楽の輝きは、まさにエバーグリーンと呼ぶにふさわしい。 さらに、黒人アーティスト特有の圧倒的なリズム感を兼ね備えている点において、ビートルズとはまた異なる偉大な領域を切り拓いた。彼の残した楽曲群は、間違いなく後世へと語り継がれていくはずだ。